熊本市: 中心市街地の空間診断
背景とねらい
熊本の上通り、下通を中心とする商店街は、地元の買い物客などで賑わいを見せています。一方で、観光名所である熊本城には年間数百万人が訪れています。この二つの場所は、歩ける範囲内にありながら、相互の行き来があまり見られないことが指摘されていました。この検討は、中心市街地内の歩行者の回遊性を狙う様々なプロジェクト(熊本大学まちなか工房による)の一環として、現況の歩行者の分布、移動軌跡・行動や、その空間的な要因について、調査・分析をすることを目的としました。
Space Syntaxの貢献
限られた地点数のデータしか得られない通常の歩行者量調査ではなく、サンプリングによるカウント調査を提案し、また、歩行者の行動を記録する追跡調査、さらに、GISを用いた様々な空間指標のデータ化を行いました。
成果
様々な切り口から現状を可視化することにより、各プロジェクトの狙いや効果を的確に説明、評価するための根拠となるデータベースをつくることができたと言えます。また、具体的な問題個所として、ある交差点が「視覚的に強いポテンシャルを持った場所なのに、動線的な問題があるため、ボトルネックになっている」ことに注目し、その根拠を示しました。
発注者
熊本市
共同者
熊本大学まちなか工房(溝上教授、星野准教授、ほか)
年次
2009年度